いよいよクロの旅が始まりました。

おひさまが
ニコニコとクロを見ています。
風さんも応援しています。
しばらく歩くと桜の森に着きました
(妖精さんはいるかな?)
クロはキョロキョロ見渡しましたが
妖精さんは見つかりません。
(挨拶したかったな)
少し歩くとカシャ!カシャ!
と、音がします。
(なんだろう? 妖精さんかな♬)
クロは音のする方に近づいてみると
ノッポの猫さんが
桜を撮っていました。

クロ「おはようございます♬」
突然の声にノッポの猫さんは
驚きましたが
「おはようございます」
と笑顔で挨拶してくれました。
クロ「ぼくはクロっていいます♬」
ノッポの猫「ぼくの名前はチュウ。
写真を撮りながら
旅をしています」
クロ「えー♬ぼくは、これから
旅に出るんです。」
チュウ「ほ~!
一人で大丈夫ですか?」
クロ「だ、大丈夫!」
でも本当は不安でいっぱい…

クロ「それはカメラって
いうものなんですね。
カッコイイですね」
チュウ「そうでしょう♬
これはご主人様の
大切なカメラなんです」
クロ「ご主人様?」
チュウ「はい。
昨年お星様になりました…
いつも一緒に
写真を撮ながら
旅をしていたんです。
だから…
ご主人様との
思い出の旅なんです」
チュウ「記念に撮りましょうか。
このカメラは心の中も
撮れるんですよ。」
クロ「え。心の中も?
…いいです!
撮らなくていいです」
チュウ「あはは…君は大丈夫です。
純粋で愛に満ちています。
そして勇気がある。」
クロ (え?…)
チュウ「さっき突然声をかけられ
驚いたはずみで
シャッターを
押してしまったんです」
チュウちゃんは笑いながら
鼻をこすった。
クロ「えへっ♬」
チュウ「夜はとくに気をつけてね。
この先野犬がうろついてる
ことがありますから。
じゃあ、またどこかで
会えるでしょう」
クロ「はい!」
2人は手を振って別れました。
